34歳の春、突然リビングで受けた、夫からの「告白」。
彼が抱えていた「親の借金」は、実は「知人に騙された詐欺」だった——。
「もう、この人とは歩んでいけない」
静かに動き出した、離婚へのカウントダウン。
しかし、地獄はまだまだここからが本番だったのです……。
絶句する実家両親と、家庭内別居の開始
事態のあまりの衝撃に、彼の発言すべてが信じられなくなった私。
まずは、自分の両親へ電話で「彼から受けた告白内容」を報告しました。
電話の向こう側で絶句する両親。
正直、両親とどんな会話を交わしたのか、今の私には記憶すらありません(笑)。
両親から今後の進退について問われたため、正直に「別居か離婚を考えている」と伝えたところ、両親の反応は二分。
- 父:「別居するくらいなら離婚が良いのでは?時間をかけるのはお金も気力も無駄になる」
- 母:「もう少し様子を見てみたら……?離婚したら元には戻れないから後悔のないように」
私はすぐには明確なジャッジをしきれず、ひとまず「家庭内別居」をスタートさせました。
明るくて広いリビングダイニングを私の中心エリアにするのが快適でしたが、顔を合わせる回顔が増えそうだと予想。
夫の顔を見るだけで激しい不快感が襲ってくるため、私は広めの洋室を自分の生活圏として選択したのです。
必要なときにだけ、共用エリアへ行く生活、会話は必要事項のみ。
私は、自室にこもり「離婚」と「別居」についての情報収集を始めていました。
真夏の両家会議。修羅場に現れなかった義父
そして、34歳の夏を迎えました。
私たちは、現状の整理と事実共有をするための「家族会議」を開くことにしました。
目的は、以下の2点。
- 私の両親がどんな経緯で彼の借金を立て替え返済したのかを両家で共有
- 夫から事実関係を確認し、これからどうするかを話し合う
真夏の厳しい暑さの中、集まったのは5人。
私の両親、私たち夫婦、そして義母。
彼の父親である義父は、この場に現れませんでした。
彼の両親は離婚していることもあってか、元夫婦で並んで出席するのを避けたのかもしれません。
緊張感が漂う部屋で、私の父が重々しく切り出しました。
「詐欺に遭ったということで、間違いないんだな?」
「……間違いありません」とうなづく夫。
その瞬間、父の感情が爆発しました。
「お前・・・自分が何やってきたのか・・・わかってんのかよ!!!」
父があんな勢いで怒鳴り声を上げたのを、私は生まれて初めて見ました。
そう、私の両親は彼の借金を全額立て替え。
異常に高い金利もすべてゼロにし、無理のない返済スケジュールも許容してくれていたのです。
さらに、親が身銭を切って購入した物件を、私たちに賃貸として貸し出してくれていたのです。
そこまでして、救いの手を差し伸べてくれた義理の両親に対し、夫は嘘をついた。
自分の母親の顔にも泥を塗り、妻である私を傷つけた。
全員の愛と善意を踏みにじった夫に対する、父親の抑えきれない怒りが、一言に集約されていました。
続いて、母が彼を見つめて静かに問います。
「もう今の状況だと、あなたの言うこと全てが怪しく見えてしまうのよね」
母は少し間を置いて、悲しそうな目を向けながらこう続けました。
「ほんとはさ……『知人に騙された』ってのも嘘で、他の女性に指輪でも買ったんじゃないの?違う?」
「違います!断じてそんなことはありません!」と必死に否定する彼。
怒号と不信感が渦巻くカオスな空間で、私は淡々と冷めた声で彼に問いかけました。
「あなたも詐欺に遭ったのかもしれませんが、正直、私はあなたから『詐欺』に遭っている感覚です」
「これからどんな生活を送っていきたいと考えているのか、聞かせてほしい」
私の言葉に、彼はボロボロと大粒の涙を流しながら、真夏の家族会議でこう宣言したのです。
「本当に申し訳ございません…。もう一度、やり直させてください…。なつを幸せにします……!」
(私を幸せにするだと・・・?私は血管がブチ切れそうでしたw)
義父から届いた「手紙」
私がこれまでの経緯をまとめた書類を義父に送りました。
それに対する返信として、義父から、1通の手紙が届いたのです。
これから生活を共にしていく人に対して、どうしてこんな嘘がつけるのか、自分でも理解できません。
なつさんに突き放されても仕方ありません。
本当に父親として深く深くお詫び申し上げます。もう1度、息子の言動、行動を見てあげてください。
これで終わってしまったら、息子は一生「後悔」を持って生きていかなければなりません。
どうぞよろしくお願いします。
(※一部抜粋)
……文章の丁寧さで一見素通りしてしまいそうになりますが、要約するとこうです。
「息子の嘘は自分も理解不能だし、息子の将来が可哀想だから見捨てないでね!」

……さすがにヤバすぎません??www
呆れを通り越して、もはや笑うしかありませんでした。
恐怖の待ち受け画像と、ぐるぐる回る思考
ふと彼のスマホが目に入った時、私は背筋が凍りつきました。
なんと、待ち受け画面が「結婚式でのドレス姿の私」になっていたのです。
家族会議での「なつを幸せにします・・・!」発言も思い出され、……正直、身の毛がよだちました。
「反省してます」「愛してます」のアピールなのかもしれませんが…
嘘をつかれ続けた側からしたら、もうただのホラーでしかありませんww
「今すぐにでも離婚したい」
心の中ではとっくに答が出ているのに、当時の私は足がすくんで動き出せていなかったのです。
- この精神状態で、フリーランスとしてやっていけるのか?
- かといって、今さら会社員に戻るのもイヤだ
- 引越資金もすぐには厳しい…そもそもどこにする?
- 35歳で離婚して、私は再婚できるんだろうか……?
- いっそのこと、「海外就職」をし全部捨てて飛んでしまおうか?
不安と理想が頭の中でグルグルと駆け巡っては消えたり。
突然、抑えきれない怒りが爆発して止まらなくなったり。
精神衛生が、まるでジェットコースターのような日々。
「焦らず様子を見て、納得してから結論を出しても遅くないと思う」
そんな周囲の声もあり、私は「もう少しだけ粘る」という選択をしたのです。
次回予告:夫を信じられなくなった私が取った「ある行動」
粘ると決めたものの、一度壊れた信用は二度と元には戻りません。
次回、第4話。
『夫を信じられなくなった私が取ったある行動で、夫の嘘をすべて暴いた話』
本当の「完結(決断)」は、すぐそこまで迫っていました。
